歩いていく道のずっと先、とめられた車の陰に薄茶色のネコチャンがこちらを向いて立っていた。だんだん近づいていくけどネコチャンはずっとこちらを見て動かない。もしや、私を待っているのかしら。もっと近づいたらしっぽをピンと立ててにゃあにゃあ言いながら足にまとわりついてくるタイプの構って欲しがりのネコチャンなのかしら。おーよしよし、ああ、ズボンに毛がついて困るなぁ、とか妄想しながら寄って行った。猫ではなく乾いた泥の付いた長靴だった。近くで工事してる人が車の中で休憩するために車の脇に脱ぎ捨て、その片方が倒れてもう片方に重なったことでいい感じの造形を生みだしたようだ。車の中でくつろいでいた人は遠くから真っ直ぐ車に目掛けて近づいてくる人の目的がわからず不安だったろう。

晩ごはんは、家族が弁当をもらって帰ってきたから適当におかずを足して食べた。